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血管などの内部構造が見やすい肝臓の立体模型を3Dプリンターで安価に作る手法を開発したと、筑波大と大日本印刷のチームが8日、発表した。実用化されれば患者ごとに模型を作製することも可能となり、手術前の手順の確認や患者への治療法の説明に役立つという。
模型は、コンピューター断層撮影(CT)などの検査で得た患者のデータを基に3Dプリンターで作製。肝臓全体の形状を表面の形に沿った外枠で表し、内部の血管や腫瘍を細かく再現した。
内部がほぼ空洞のため、重要な血管などの位置が一目で分かる。高価な材料の樹脂も少なくてすみ、30万〜40万円程度の製作費が、3分の1以下になるという。
現在、3Dプリンターで作る臓器の模型は主に研究に使われ、高価なため臨床現場では普及していない。研究チームは2016年度までに肝臓模型の実用化を目指す一方で、膵臓などでも開発を進めたいとしている。
筑波大の大城幸雄講師は「試作品を患者さんに見せたら、分かりやすいと好評だった。医療サービスとしても魅力的だし、若い医師の教育にも役立つと思う」と話している。
(共同)